ごあいさつ

「未来医療開発プロジェクト Medical Innovation by Advanced Science and Technology Project （MIAST Project）」は、文部科学省の「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」の選定プロジェクトです。本事業は、患者に優しい低侵襲医療の実現を目指して、幹細胞を用いたドラッグデリバリーや再生医療、あるいは新規抗癌薬／内視鏡治療に用いるデバイス開発などを行うトランスレーショナルリサーチの研究拠点形成事業です。本学では、本事業の前身である「私立大学学術研究高度化推進事業」の補助により、「老年疾患克服に向けた探索的医療プロジェクト（医学部オープンリサーチ）」(平成16～20年）、「長寿科学としての顎口腔系抗加齢医学の追究と生体材料による機能回復法の新展開（歯学部ハイテクリサーチ）」（平成17～21年）を展開してきました。これらのプロジェクトでは、講座横断的な組織である先端医療研究センター、先進歯科医療研究センターがその推進力となり、先進医療に関する多くのシーズを生み出しております。
　一方、本学では平成19年度に薬学部を開校し、医・歯・薬学の三学部を擁する総合医育系大学として、新たなスタートを切っております。さらに、総合移転計画の一環として平成23年度から、薬学部に加えて医・歯学部基礎部門が新キャンパスへと移転することになりました。これらのことは本学の教育・研究環境基盤の整備にとって、千載一遇の好機であり、基礎生命科学の開発分野から、臨床試験までの医療開発研究を、一貫して効率良く遂行しうる拠点形成を目指すことが可能になりました。本プロジェクトでは先の研究事業で得られたシーズを生かすばかりでなく。さらに「医・歯・薬合同」の「学部横断的な研究体制」をもって、次世代に資する高品位な医療を開発して行きたいと考えております。


2010年12月

岩手医科大学・医学部長
鈴木一幸